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「11月はシューベルトの季節」

2019/11/05 12:31



「シューベルトの音楽は、舞台上で強い力で私を導きます。私はただその中に浸り、その音楽を表現するというよりは、その音楽が私を通じて歌います」

昨年、慶煕(キョンヒ)大学音楽部教授になったピアニストのキム・テヒョン(34)が、11月をシューベルトで彩る。ソウル西大門区(ソデムング)の錦湖(クムホ)アートホール延世(ヨンセ)の「美しい木曜日」シリーズで7、14、28日の三回、「キム・テヒョン、シューベルトへの道」というタイトルで舞台に上がる。28日は、ドイツを中心に活動するベースのチャン・セジョンと歌曲集「冬の旅人」を協演する。彼は、「人々が自分の内面に目を向ける11月こそ、シューベルトを聞くのに最も適した季節だ」と語った。

キム・テヒョンは2015年、「偉大な芸術家の手紙-シューベルト、孤独から」というタイトルで演技と朗読を添えた公演を行ったことがある。彼は、「当時の経験は生き生きとしていて、とても楽しかった。しかし、4年前に比べれば、今はシューベルトが私を通して歌う瞬間をより長く維持できる力ができた」と強調した。

7日の演奏曲は、ソナタ13番イ長調と「楽興の時」D780など。14日は即興D935と「さすらい人幻想曲」に次いで、リストがピアノソロ用として編曲したシューベルトの歌曲を演奏する。最終日の歌曲集「冬の旅人」につながる橋となるわけだ。

キム・テヒョンは、「シューベルトの歌曲においてピアニストの役割は、短いいくつかの前奏だけで曲の性格を分からせる非常に難しいことだ」と説明した。「声楽家は単語の意味を歌うなら、ピアニストはその言葉をさらに意味のある、痛いところではさらに痛く、悲しいハーモニーで表現しなければなりません。本当に敏感にならなければなりませんね」

彼は、「もし私が作曲をしたなら、書きたくなるような作品がシューベルトの曲だ。彼の音楽から労いを受けた人なら共感するだろう」と語った。彼はバイオリニスト・イ・ジヘ、チェリスト・サミュエル・ルツカーと一緒に3重奏団「トリオカオン」の活動も行っている。12月は、ドイツで四回のトリオカオンコンサートを開く。

「シューベルトへの道」の舞台は3日共に午後8時に開かれる。4万ウォン。